ジュディタニア建国記
■[断罪の果てに 3]Delete
目が覚めた
情景がカラーのトコみるとかろうじて生きているみたいだ
身体が動かない、この感覚は覚えている、毒だ
正面には例の三人パーティ
「あほか、おまえ」
アーチャーが俺に吐き捨てる
わかってる、クリーチャー狩りを邪魔した上プレイヤーに攻撃してしまった
犯罪行為なのは俺の名前が青から灰にかわってるのをみて明らかだ
先程のドレイクの横腹に深々と毒ヤリが刺さってる、息絶え絶えだがかろうじて生かされてる状態
「しっかり見てろやジュディ」
ランサーが俺の顔を押さえドレイクの方を向かせる
メイジがそのヤリをグリグリかき回しドレイクに一層の苦痛を与える
「ゲーッ!」
断末魔の叫びを最後にドレイクは息絶えた…
目を背けたくも顔を固定されて動かせなかった俺
コトを終えたメイジが俺に近づいてくる
「さて、お仕置きも終わったし…」
メイジの手に先程俺が投げたMAFナイトキス
「返すわ!」
思わず目をつぶり
一瞬の静寂の後、目をあける
モノクロの情景
あぁ殺されたか…
足元にある俺の死体の左胸にMAFナイトキスが根元まで入ってる。
いつの間に洞窟を出た三人組
OooOOoOOo!!
俺は叫んだ、そして嘆いた余りにも無力な自分に…
すると
an corp
誰かが俺に蘇生呪文を唱える…
i*10/17(月)18:31
■[断罪の果てに 3]Delete
いや聞こえたのではない
ことばではない、なんらかの思いが俺に伝わった
どこから?
だれが?
まわりを見渡した俺の目に霊話を繰り返しても成仏しなかったメスドラゴンの亡骸がうつる
一瞬で理解した
理解した次の瞬間、俺は懐に手をのばして紙封印したMAFナイトキスを投げ付けた
「ギャ!」
短い悲鳴と同時に画面にダメージ18の数字
火の玉を載せたメイジの二の腕にナイトキスが刺さってる
アーチャー、ランサーは信じられない顔をして俺を見た
うずくまるメイジ、呆然とする俺
そのメイジが俺を見た、怒り猛った表情だ
その顔を見たアーチャー、状況を理解したらしく俺へ弓を向け矢を穿つ
ヒュッ!
右耳に風切り音
かわせたか!?
28
数字が浮かび上がると同時に右耳に火がついたような痛み
当たったか!
認識すると同時に今度は左腿に衝撃、矢が刺さってる
膝をつく俺、その曲げた膝の痛みでもんどりうってそのまま前のめりに倒れ込んだ…
ヤバい!
すぐさま顔を上げて正面を見るとメイジが傷を負った右手を押さえながら憤怒の形相で向かってくる
振り上げたその足が俺の顔に振り下ろされる
鼻の奥に鈍い衝撃を感じて俺は…アトはわからない
身体中に衝撃を感じながらそのまま意識が遠くなった…
i*10/17(月)02:13
■[ジュディ]
[断罪の果てに 1]Delete
夏
クリーチャー狩りのメッカ、フェルッカのダスタに足を運ぶ
ここに居るドラゴンは案外良い戦利品を落とす為、人が挙る。
その累々と積まれた死骸からまがまがしい残留思念が漂う中、俺は霊話スキルで成仏にまわる。
俺の霊話スキルも程々あるので大抵は一回で昇天するのだが、中には思念の強いヤツもいて霊話を二回三回と繰り返し成仏させるのだが、この日のある一体は何度繰り返しても成功しない
「メスか…」
理由を探ろうと死体を調べても性別しかわからない
ただ他の死体より深い傷、致命傷が複数ある。
何度も死に至る攻撃を受けても立ち向かったのか
生への執念‥
何故?
クリーチャーが生への執念っておかしいよな、所詮野性動物、背負うものなんかないだろうに
少し離れた向こうでは三人のパーティが狩りに興じている。
火の玉をドラゴンの顔にぶつけ目を潰すメイジ、あがくドラゴンに矢の雨を降らせるアーチャー、硬い皮膚に毒ヤリを突き刺すランサー
見事な連携に最強の代名詞であるドラゴンも肉塊に成り下がる。
俺は見ていた、プレイヤーである俺は所詮ドラゴンを狩る奴らの一人だと…
ドラゴンが崩れ倒れる
革を剥ぎ、肉を切るプレイヤー、ルートが終わると次の獲物を探しだす
俺は今しがた出来たその亡骸に寄り霊話を唱える、血のように真っ赤な皮膚が、残留思念を抜かれ段々石色になるのと引き替えに成仏…
するとまた向こうに獲物が見つかったようだ、岩の間からひとまわり小さいドラゴンがおびき出されてきた
ドラゴンの幼生ドレイクか
まずメイジがその幼きドレイクの顔にぶつける火の玉を作り出す。
そのとき、俺の耳に何かが聞こえた…
i*10/17(月)00:33
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 6]Delete
翌日、俺は考えることがあり銀行の持ち物を整理しだす
カタナを折り
そして木刀を持つ
MAFナイトキスは紙封印をして懐へ、いつか自ら生命を断つ局面に遭うやもしれない
今から始まるんや!
断罪の道程は今、ここで俺一人から始まるんや!
[不殺如]
このブリタニアから一切の殺戮を無くす道程を一歩踏み出した
その道はかなり険しい
しかしやりとげる
みんなの笑顔がみたいから…
だって笑顔は心の宝物だもの
FIN
i*10/16(日)03:30
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 6]Delete
『バカヤロウ!』
殴られたHIMEは倒れこんで立ち上がらない
ダメージ37だ、致命傷にはならない
うずくまったままのHIMEから嗚咽が漏れだす
不憫だ…
我が子に虐待を行なうHIMEはもちろん弁護できたもんじゃねぇが、それにしても…
俺は手を見る、先程の戦闘で浴びた返り血にまみれた左手…
この手で幾多のプレイヤー、クリーチャーを殺めたか
左手で握手しながらも右手にはMAFナイトキスを後ろ手に持ったり…
うずくまる哀れな女を見下ろしながら過去の所業を振り返る。
このブリタニアに生を受けて今まで、振り返る事無く突き進んだが、一部のヘビーユーザーに搾取されてるこの現状
ここにうずくまる不憫な女プレイヤーのようなヤツが圧倒的多数。
俺はHIMEを起こして町まで送り、扇動120パワスクを施しプレイスタイルに道筋をつけてやった。
何度も何度も礼を言うHIME
いたまれない俺はそっとインビジを唱える…
i*10/16(日)03:15
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 5]Delete
ウルテマ内でも弱者、実社会でも弱者。拠り所のないこの女のはけ口は容易に想像できる
「こんな調子ですからついつい子供に‥いけないのはわかってるんです。我にかえってひどい罪悪感に苛まれるんです」
聞きたくなかった
聞かなければこの先の殺戮の毎日を選ばずに済んだのに
ゾンビ、タイマンだと余裕だが、間にリザードマンが割り込んだらもうダメ。
無残に殺され、しかも貯めていた金や持ち物、装備までルートされる始末
やってもやっても報われない環境に実社会とリンクしてしまい子供を虐待してしまうらしい
虐待度は言わなかったが、ここまで他人に曝しといて尚言わないとこや
虐待中子供が、昔褒められたでんぐり返しを繰り返して許しを請う件で俺は話を遮った
聞くに耐えなかったのだ
俺は小声でストレンジを唱え始める
詠唱終わったらカタナを置き、AF小手を外してHIMEを思い切り殴った
ダメージ37
i*10/16(日)02:54
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 4]Delete
バツイチ子持ちのそいつはウルテマ歴半年
二歳の一人息子と工場勤めの団地暮し
子供が寝静まった頃から仕事にさしつかえない時間までしかやれないもんで、どうしてもスキルや装備に手間かけれないらしい
せいぜい拾った装備でゾンビ相手に勝った負けたで一喜一憂
ピンク鎧ドラに乗ってる他プレイヤーを遠目にみて貯まった金でパワスク5を買ってみたり。
実社会も子持ちバツイチは弱者、生活保護を受けようとするが、車、エアコン、増してやパソコンなど制限される恐れあるのでギリギリでやってる始末
唯一の楽しみはネットだと
こいつのキャラ名HIMEなんかはそんな逃避的な望みが込められてるんやろか
i*10/16(日)02:35
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 3]Delete
AF小手じゃなけりゃ最初の一撃で指ごと持ってかれたな…
先程の幽霊を蘇生してやるとすぐさまそいつ、赤の亡骸を漁り自分の防具や赤の持ち物をルート
(礼も無しかよ、霊だったからってそれが礼のつもりか)
なんて間一髪で拾った勝利の安堵感からか、くだらんこと思ったりしてた俺にそいつが話しかける。
「どうもありがとうございました、パワスク進めてたら急に赤に殺されまして」
(見たらわかるわ)
『ここはプレイヤーキラーとかルールがシビアだから気をつけてね』
「ええ、でも悔しいですね」『そうだね、パワスクはここでしか手に入らないからね』
「じゃなくて」
『え?』
「もちろん、それもあるんですが」
「強い者しか良い目を見れないのに何がオンラインコミュニケーションだよ!」
セキを切ったようにそいつはまくしたてる
i*10/15(土)23:25
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 2]Delete
たぶん一瞬であろうその笑み。
「ギャインェ」
赤の背後で金属音
その音に他プレイヤーの出現を感じたのかカタナを飛ばされ丸腰だと思った俺から目を離し赤は背後を振り返る。
振り返り、先程弾かれて宙を舞ったカタナが地面に落ちた音と気付いた赤
俺から視線外した事を後悔する時間があっただろうか…
そんなことを思いながら左手に忍ばせたMAFナイトキスを赤のうなじに突き立てる
顔は見ない、あの笑顔を覚えたままにしといてやりたかったから…
i*10/15(土)22:47
■[ジュディ]
[強さとは弱さとは 1]Delete
春
殺戮、強奪、略奪、凌辱のデスパイスパワスク会場に一人赴く。
ナイトサイトでもまだ暗い洞窟内を徘徊しつつ会場へ辿り着くと強烈な獣臭に一瞬たじろぐ。
つい先程終わったらしいネズミ人間残骸山から目を背けたその先に、一人の幽霊をみつけた。
死にたてなのは幽霊の足元の死体の損傷具合で容易にわかったが、その腕と首のみ身にまとう死体に赤プレイヤーからの凌辱のアトを偲ばせる。
取り敢えず、うつむいたままの幽霊の正面に立ち、呪文を唱え蘇生を試みる。
詠唱が終っても蘇生しない 拒んでるのか…
何故?‥
いやな予感、俺は腕を組みつつ腰のカタナに手を掛ける、すると
うつむいてた幽霊が顔を上げて俺を見た…
いや、視線は俺の背中越しだ!
「チィッ!」
刹那、振り向くと同時に右手の甲に激痛、カナタが宙に舞う。
赤だ!
勝ち誇ったのかその赤がニヤリと笑った…一瞬だけ
i*10/15(土)22:28
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旧ウルティマ日記